saiのプロフィール

会社員時代、昼休みに晴れ渡ったどこまでも広がる青空を見ては思っていた。

どっか行きたいなあ。

そう思うと涙が出た。
せわしなく時間に追われて食べる450円のまずいランチ。
誰に拘束されているわけでもない。
誰に強いられた仕事でもない。
なのになぜ、こんなに不自由なのか。
自由なのに、限りなく自由でない。

今、私はそんな青空を見たら、散歩に行く生活を送っている。

晴れた空を憎々しく思ってしまうとしたら、
それはあなたのどこかが疲れているサインだ。

もしあなたが、今、当時の私と同じ思いを抱いているなら、
しばしお付き合いいただきたい。

saiのプロフィール

大学卒業後、
就職はせず夢だった漫画家を目指し、
2009年1月にデビュー。

読み切りは3回掲載されるも、アンケート結果がよくなく、
ネーム地獄に突入。

体を壊し、とりあえず就職。
精神を破壊される。

今のメンターと出会い、
ブログで好きなことを仕事にする方法を知る。

漫画を描きながら、面白いことをしていきたい。←今ここ。

暗黒の20代

漫画家になれないなら、生きているのも死んでいるのも同じ。
そう思っていた。

元々ゼロ百思想が強く、すぐに白黒つけたがる性格で、
それゆえにどんどん生き辛くなっていった。

年齢的焦り

昔から年齢的焦りが凄まじくあった。
もはや強迫観念だった。

何をそんなに生き急いでるんだ?
とよく言われた。

とにかく焦っていた。
一分でも一秒でも早く、漫画家にならねば。

若い作家しか必要とされない。
若ければ若いほどいい。

ハタチを越えた瞬間から、いや、正確には大学に入った時から、年をとるのが恐怖で仕方なかった。
21歳にして年齢詐称を考えるほどに。

漫画家になれるのが一歩ずつ遠のいていくようで。

無駄に焦って焦って、
焦り過ぎて、
もうわからなくなっていた。

一体何のために漫画家になりたいのか。

今なら思う。
焦る必要なんて全くなかった。
もっと人生を、今しかない瞬間を、
楽しむべきだ。

体が先に悲鳴をあげた

2~3時間しか寝ずに、
バイトと漫画に明け暮れる日々。

仕事で顧客とトラブルになったことをきっかけに、
少しずつ歯車が狂い始め、
とっくに限界だった体がついに悲鳴を上げ、
生まれて初めて救急車に乗った。

その後、すぐに普通の生活に戻れると思っていたのだが・・・
甘かった。
この時の体験は思わぬ余波を残すことになる。

自業自得だ。
自分の体を省みず、ムチャクチャな生活を送ってきたツケが、ついに回ってきた。

ご飯が食べられなくなってしまったのだ。

何か食べると吐いてしまいそうで、食べられない。
いわゆる嘔吐恐怖のような状態だ。

固形物は完全に無理で、
ギリギリ体に入れられたのがウィザーインゼリーのような流動系のもの。
1日に必要なカロリーをいかに摂取するか?
そればかり考えていた。

今まで当たり前のように食べていたパンやおにぎりが食べられなくなると、必要なエネルギーを摂取するのがこんなにも大変だとは・・・。
毎日点滴を打って、なんとか動ける状態だった。

匂いですらダメで、デパ地下を歩くことすらできない。
食関係のバイトじゃなくてよかった。

当たり前の生活が、当たり前でなくなった時に、やっと気付く。
普通にご飯が食べられる、
今までの生活が、どれだけ有難かったか。

失われたメンタル

結局元のように食べられるようになったのは、それから5年以上経ってから。
今でも元通りとはいい難いけれど、
そこそこ普通に食べられるようになった。

当時は元のように食べられるようになることなんて、
想像すらできず、とにかく辛かった。

3か月で20kgやせた。
・・・まあ太ってたからちょうど良かったんだが。

それよりも問題が一つあった。
体重とともに失われたものがもう一つある。

メンタルだ。

体を張るエネルギーが、一気に失われてしまった。
自分への自信を完全に失くしてしまった。

体力だけは自信があったのが、
体力すら失ってしまった。
もはや自分への信用ゼロ状態。

「何とかなる」
「何とかしてやる」
「大丈夫」

今まで自分の中にあったそういう気持ちは、全部どこかへ消え去ってしまった。

代わりにやってきたのは、急激な不安。

今の生活を続けていくのは無理なんじゃないか。

漫画家になれないんじゃないのか。

ずっと胸をよぎっていた不安が、
いよいよ形を持って襲い掛かってきた。

負けるのか。

いや、まだ勝ちへの途中。

まだこの頃はそんな負け惜しみを言える根性が、ギリギリ残っていた。

肥溜めにて

悩んだ挙句、私が選んだのは「とりあえず就職する」道だった。
体を治すために、とにかく今の生活の苦しさから脱さねば。
体を治して、また漫画家を目指せばいい。

2年でできるだけお金をためる。
そして仕事は辞める。

そう決意して始めた仕事は、結局5年も続けるハメになった。
決して楽しかったからではない。
絶望が深すぎたからだ。

日付が変わっても帰れない。残業代は出ない。
誰もが人に仕事と責任をなすり付けることしか考えていないせいで、仕事は山積み。
なのに給料は驚くほど安い。

そしてそこにいる人達は、
人のウワサ話と、
人の足を引っ張ることにしか興味がない。
オッサンもオバちゃん化した世界。
夢?希望?は、ナニソレおいしいの?だ。
上昇志向ゼロ。無気力バンザイ。
仕事は就業時間が終わってからやるもの。

異次元か、ここは。

そんな異次元でもまれ、
かろうじて残っていた最後の欠片も霧散した。

いよいよ、食うためだけに生きている状態になった。

朝起きて、会社行って、帰って来たら風呂入って寝て、
また朝が来る。

毎朝クソがぁぁあああ!!と言いながら、目覚ましを止めていた。

 

・・・・・・クソがぁぁあああ!!って言いながら起きる朝って、何よ?

永遠に変わらないこのクソみたいな日々が、この先一生続いていくのか?
そう考えると本気で死にたくなった。

何のために生きているのか。

ただ息をしてるだけで満足か。

 

そんなのは、嫌だ。

変わる

ひたすら会社を辞める方法を探した。
何でもいい。
収入は最低限あればいい。
最低限の生活でいいから、漫画を描きたい。

無駄にいろいろ欲しくもない資格もとった。
しかし、会社を辞める手立ては、一向に掴めぬまま。
死んだ魚のような目をして毎日を送っていた。

晴れの日は嫌いだ。
こんなに天気がいいのに日当たりの悪いオフィスでデスクワークしている自分を呪いたくなる。
雨の日は嫌いだ。
電車が混むし、遅れる。1時間以上早く起きて仕事に行かなければならない。

要は、この世の何もかもが嫌いだった。
あんなに好きだった漫画を読んでも、
誌面に掲載されている作家に嫉妬や妬みしか覚えない。
自分はどうせもうそこには永遠に辿り着けないのだ。

ドラマも映画も音楽も楽しくない。
「だから何?あなたは成功してるからそんなことが言えるんだ」と思ってしまう。
あらゆるものが輝きを失って見えた。

このまま、この世の全てを憎んで、生きていくのか。

 

私は会社を辞めた。

シンプルな選択

死んだ顔して生きてるんなら、死ね

死んだ顔して生きてるんなら、死ね。

私の人生を変えた、北村龍平監督の言葉だ。

社会とか会社とか収入とか、誰かのせいにしているうちは、何も変わらない。戦わないと何も勝ち取れない。

震えた。

私は戦っていたい。
まだ、戦える。

年齢なんて関係ない。
年齢を言い訳にしてるのは自分だ。
戦おうと思えば、何歳でも戦える。

周りの意見なんてどうでもいい。
生きていくのは、自分自身。

選択はいつだってシンプルだ。

やるか、やらないか。

それだけだ。

たった一つの夢が叶わないなら、
今死んでも同じだと思って生きてきた。
その思いは今もまったく変わらない。
私にとっては夢をあきらめる=死だ。

だけど、その夢はいくつあってもいい。

もちろん、漫画は好きだ。
でも他にも、やりたいことがたくさんできた。

面白いことをしたい。
面白いことをして、誰かに喜んでもらいたい。

何のために漫画を描き始めたのか。

キャラの台詞が、私の心の支えとなったように、
自分も誰かを励ますことができたら、
楽しませることができたら、
誰かの一歩踏み出す勇気になったら、
そう思ったからだ。

そんなシンプルな、
だけど一番大事なことを、
いつの間にか忘れてしまっていた。

もしあなたがあなたの人生を生きたいと思っているなら

だから、このサイトを立ち上げた。

誰かの、希望や勇気となるために。

自分の人生を自分のものにするために、
あなたが今の生活を、何かを変えたいと望んでいるなら、
一緒に戦いたい。

人生は、変えられる。

一度はどん底の底の底で、何もかも諦めたけれど、
また夢を追って生きている。

晴れた空を、美しいと思う。
雨の日も、出かけたくなる。
朝は、起きるのが楽しい。

働くのは、金のためだけではない。
もちろん、金がないとアパートに住めない。ご飯が食べられない。
だけど、金のために生きているわけではない。

誰かの役に立ち、
何より人生の生きがいを感じるために、働いている。

あなたの人生は、あなたのものだ。
家族や、会社や、他人のためのものではない。

あなたが戦いたいなら、一緒に戦おう。

一緒に面白いものを作っていきたい。

そう、願っています。